外壁塗装と屋根塗装を同時に行う費用相場と失敗しない進め方

外壁塗装と屋根塗装は、同時に行う方が費用も工期も抑えられます。理由は、両方に必要な足場を1回にまとめられるからです。30坪の2階建てで総額80万〜200万円が目安で、別々に頼むより15万〜30万円ほど節約できます。

ただし、耐用年数のズレや業者選びを間違えると、せっかくの同時施工が割高になってしまいます。

「外壁だけ塗る予定だったけれど、屋根も一緒にやった方が良いのだろうか」「同時に頼むと本当に安くなるのか、それとも一度にお金がかかるだけなのか」と迷う方は多いはずです。塗装工事は10年に1度あるかないかの大きな買い物で、判断を間違えると数十万円の差になって家計に響きます。

この記事では、同時塗装の費用の内訳、メリットとデメリット、耐用年数のズレの整理、失敗しない業者選びまで、判断に必要な情報を一気にまとめて解説します。読み終える頃には、自宅の塗り替えを同時に頼むか、別々にするか、迷わずに判断できるようになります。

結論を先取りしておくと、外壁と屋根の塗り替え時期がほぼ同時に来る家では、同時施工が最もコストパフォーマンスに優れた選択になります。逆に、屋根がまだ築5年以内で塗装が不要な家、あるいは屋根の葺き替えを近い将来に予定している家では、無理に同時塗装にする必要はありません。

自宅の状況に合わせた判断のために、この後の各項目を順番に読み進めてみてください。

目次

外壁塗装と屋根塗装は同時にやった方がお得なのですか?

外壁塗装と屋根塗装の同時施工は、多くのケースでお得になります。理由は、どちらも塗り替えのタイミングが10年前後と近く、共通で必要な足場を1回にまとめられるためです。別々に発注すると、足場だけで20万〜40万円を2回払うことになります。

もちろん、屋根の劣化がまだ軽度で、外壁だけ先に手を打ちたいケースもあります。判断の分かれ目は、屋根の築年数と表面の状態です。築8年以上で色あせやコケが出ているなら、同時施工のメリットが大きくなります。

同時施工を検討すべき家の目安
  • 新築または前回の塗り替えから8年以上経っている
  • 屋根の色あせ・コケ・チョーキング(白い粉状の劣化)が見え始めている
  • 外壁のシーリング(目地の充填材)にひび割れがある
  • 足場代や近隣挨拶を1回で済ませたい
  • 次のメンテナンスまでの間隔を10〜15年で揃えたい

屋根は地上から見えにくいため、傷みに気づかず放置されがちです。しかし、屋根材の防水機能が落ちると雨漏りにつながり、修理費が数十万円単位で跳ね上がることも珍しくありません。外壁の足場を組んだタイミングで屋根の状態を診てもらえば、余分な足場代を払わずに済みます。

逆に、屋根の葺き替えやカバー工法が近い将来に必要になりそうな家では、屋根を塗装ではなく葺き替え・カバー工法に切り替える選択肢もあります。表面の塗膜の劣化なのか、屋根材そのものの寿命なのかで判断は変わってきます。無料の現地調査で見極めてもらうと、ムダのない計画になります。

外壁塗装と屋根塗装を同時に行う費用相場はいくらですか?

30坪2階建ての同時塗装は、総額80万〜200万円が相場です。幅が広い理由は、選ぶ塗料のグレードと、屋根材の種類によって単価が大きく変わるためです。標準的なシリコン塗料で仕上げるなら、110万〜140万円あたりに収まるケースが中心になります。

内訳の目安は次の通りです。屋根塗装が50万〜60万円、外壁塗装が70万〜100万円、足場が15万〜25万円、諸経費や飛散防止ネットで10万〜15万円という配分になります。屋根の勾配がきつい家や、3階建てで足場が高くなる家は、この目安より高めに寄ります。

同時塗装の費用内訳(30坪2階建て・シリコン塗料)
  • 足場設置・解体:15万〜25万円
  • 飛散防止ネット・養生:5万〜10万円
  • 屋根の下地処理・塗装:50万〜60万円
  • 外壁の下地処理・塗装:70万〜100万円
  • 諸経費・産廃処分:5万〜10万円

塗料のグレードごとの単価も、判断の材料として押さえておきましょう。㎡単価は、アクリルが1,000〜1,500円、ウレタンが1,600〜2,100円、シリコンが2,000〜3,000円、ラジカル制御型が2,200〜3,500円、フッ素が3,500〜4,500円という水準です。

耐用年数が長い塗料ほど㎡単価は上がりますが、次の塗り替えまでの周期が伸びるため、10年あたりのコストで比べると割高とは限りません。

塗料の種類㎡単価の目安耐用年数の目安向いている家
アクリル1,000〜1,500円4〜7年短期で塗り替え予定の家
ウレタン1,600〜2,100円6〜10年予算を抑えたい家
シリコン2,000〜3,000円10〜13年コスパ重視の標準グレード
ラジカル制御型2,200〜3,500円12〜15年チョーキングを抑えたい家
フッ素3,500〜4,500円15〜20年次の塗り替えを先送りしたい家

費用の妥当性を確かめる際は、複数社から見積もりを取り、単価と数量が明記されているかを見比べます。国土交通省が公表する住宅リフォーム関連情報でも、契約前の相見積もりの重要性が繰り返し案内されています。1社の見積もりだけでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。

もう1つ意識したいのが、坪単価ではなく塗装面積(㎡)での比較です。「坪単価○円」という言い方は分かりやすい半面、家の形状や凹凸の有無で誤差が大きく出ます。正確な見積もりを出す業者は、外壁と屋根の面積を実測し、そこに塗料の㎡単価を掛けて算出します。

見積書に面積が書かれていない場合は、根拠を必ず確認しましょう。

外壁塗装と屋根塗装を別々に行うと総額はどのくらい違うのですか?

別々に発注すると、同時施工より15万〜30万円ほど高くつくのが一般的です。差額の大部分は足場代の二重負担で、残りが諸経費と現場管理費の重複です。1回でまとめれば1回分の足場で済むものが、別発注では2回組む必要が出てきます。

実際の比較として、同じ家に同じ塗料を使ったケースで、同時施工が約133万円、別々発注が約156万円という試算例もあります。差額は23万円で、これは足場と養生と現場管理費の重複が積み上がった結果です。

同時と別々の費用比較(30坪2階建て・シリコン)
  • 同時施工:約130万〜135万円
  • 屋根→数年後に外壁:約155万〜165万円
  • 差額の内訳:足場15万〜20万円+養生と諸経費5万〜10万円
  • 時間的コスト:近隣挨拶・在宅対応が2回発生
  • 色合わせのやり直しリスク:屋根と外壁のトーンが揃わなくなる可能性

「屋根はまだ大丈夫そうだから、次回でいい」と判断する前に、屋根の劣化スピードを一度チェックすることをおすすめします。屋根は紫外線と雨風を最も強く受ける場所で、外壁より劣化が早く進むケースが多いためです。5年後にもう一度足場を組むより、今回まとめて塗った方が、家計にも住まいにもやさしい選択になります。

金額の差だけでなく、生活の負担が2回になる点も見逃せません。工事期間中は洗濯物を外に干せなくなり、窓の開閉も制限されます。飛散防止ネットで家全体が覆われるので、日中の室内が普段より暗くなることもあります。この生活上のストレスを2回味わうか、1回で終わらせるかは、意外と大きな判断材料になります。

外壁塗装と屋根塗装を同時に行うメリットは何ですか?

同時施工の最大のメリットは、足場代を1回で済ませられる点にあります。足場は1棟あたり15万〜25万円かかるため、1回分をまるごとカットできる効果は非常に大きくなります。工期の短縮、色の統一感、近隣配慮の一本化といったメリットもまとめて手に入ります。

費用面のメリットだけでなく、住まいのメンテナンス周期を揃えられる点も見逃せません。屋根と外壁の塗り替え時期が同じになれば、10〜15年ごとの計画が立てやすくなり、家計の見通しも立ちやすくなります。

同時塗装のメリット
  • 足場代を1回に集約でき、総額15万〜30万円の節約になる
  • 工期が別々発注の合計より短くなる(10〜14日で完了)
  • 屋根と外壁の配色をトータルで検討できる
  • 近隣挨拶・在宅対応・車の移動が1回で済む
  • 次回のメンテナンス時期が揃い、資金計画が立てやすい

「工事の負担」という点も、実際に経験してみるとかなり大きいことに気づきます。飛散防止ネットで家全体が覆われ、窓の開閉が制限され、庭やベランダの物を片付ける必要があります。これらの負担が2回に増えるか、1回で済むかは、生活のストレスに直結します。

色の統一感という視点も、実は塗り替えの満足度に大きく影響します。屋根と外壁を別々の時期に塗ると、それぞれの見本帳の色番号は同じでも、実際に見える色は経年で微妙にズレます。同じ日に上塗りまで仕上げれば、屋根と外壁の色調がぴったり揃い、外観の印象が引き締まります。

外壁塗装と屋根塗装を同時に行うデメリットや注意点はありますか?

同時施工のデメリットは、一度の出費がまとまって大きくなる点です。年単位で分割して払っていた費用が、1回で100万円超のまとまった支出になります。手元資金の状況によっては、リフォームローンの活用も選択肢に入ってきます。

もう一つの注意点は、屋根と外壁の両方に精通した業者を選ぶ必要があることです。外壁塗装は得意でも、屋根の下地処理や縁切り(タスペーサー挿入)の知識が浅い業者もいます。逆も同様で、屋根専門の業者に外壁を任せると、シーリングや下地補修で粗が出ることがあります。

同時施工の注意点
  • 一度の出費が100万円超になり、資金計画が必要になる
  • 工期が10〜14日と長く、天候により延長される場合がある
  • 屋根と外壁の両方に対応できる業者を選ぶ必要がある
  • 耐用年数の差で、次回どちらかを先に塗り替える判断が難しくなる
  • 色選びで屋根と外壁のバランスを取るのに時間がかかる

「一度に高額な出費」という点は、逆に言えば長期的な支出を減らせる投資でもあります。10年で20万円の節約になるとすれば、月々に均すと1,700円弱の家計改善につながります。手元資金と生活の負担、両方を天秤にかけて判断することが大切です。

工事期間の長さについては、屋根と外壁を別々に行った合計工期(2回で16〜20日程度)より、同時施工の10〜14日の方が明らかに短くなります。ただし、体感としては連続10日以上の工事は決して短くなく、家族の在宅予定と重なる期間の負担は無視できません。

工事開始日を、家族の予定が空いている時期に合わせると、精神的な負担が減ります。

外壁塗装と屋根塗装の耐用年数のズレはどう考えれば良いですか?

屋根と外壁は同じ塗料を使えば耐用年数がほぼ揃うため、ズレを気にする必要はほとんどありません。むしろ、屋根に一段グレードの高い塗料を使い、外壁と再塗装のタイミングを合わせるのが実務的な選択です。屋根は紫外線と熱の影響を強く受けるので、少し上の耐用年数の塗料を使うと結果が安定します。

気象庁の観測データによれば、日本は年間の日射量に地域差はあるものの、平均でも高い水準にあり、屋根面は外壁より数倍の紫外線量を浴びると言われています。気象庁の紫外線情報でも、屋外の設備が受ける紫外線ダメージの大きさが解説されています。

屋根塗装だけ耐用年数の短い塗料を使うと、外壁より先に劣化が来て、再度足場を組む羽目になります。

耐用年数を揃えるコツ
  • 外壁はシリコン、屋根は遮熱シリコンやフッ素で1ランク上を選ぶ
  • 屋根材が金属(ガルバリウム)なら、防錆下塗り材の性能もチェックする
  • 次回の再塗装計画を10年後・12年後・15年後で比較して見積もる
  • 塗料メーカーの保証年数と、業者独自の施工保証を必ず確認する
  • 付帯部(雨樋・破風板)の塗料も合わせて検討する

塗料メーカーの保証年数は目安で、実際の耐用年数は下地処理の質と気候条件に大きく左右されます。表示上の年数だけで比べず、下塗り材と中塗り・上塗りの塗布量まで見積書に記載されているかを確認しましょう。

屋根と外壁の耐用年数のズレを完全にゼロにするのは難しいですが、10年後の再塗装で両方まとめてやり直せるなら、多少のズレは実用上ほとんど問題になりません。むしろ「屋根だけ先に傷んで別途足場」というパターンを避けることが優先です。

塗料選びの段階で、業者に「10年後にまた同時で塗り替えたい」と伝えれば、それに合ったグレードを提案してもらえます。

塗料はどの種類を選ぶのが正解なのですか?

住まいの標準は、外壁シリコン・屋根遮熱シリコンの組み合わせです。コストと耐用年数のバランスが良く、10〜13年でメンテナンス周期を揃えられます。長く住む予定がある家では、屋根だけフッ素にランクアップする選び方もあります。

ラジカル制御型塗料は、シリコンの弱点だったチョーキング(粉ふき)を抑える新しい世代の塗料です。㎡単価は少し上がりますが、色あせが遅く、南面の日当たりが強い家では効果を感じやすいでしょう。フッ素は初期費用は高いものの、20年近くもつため、次の塗り替えを高齢期に持ち越したくない世代に向いています。

予算・年数別のおすすめ塗料
  • 予算を最優先:ウレタン(6〜10年)
  • コスパ標準:シリコン(10〜13年)
  • 色あせを抑えたい:ラジカル制御型(12〜15年)
  • 次回を先送りしたい:フッ素(15〜20年)
  • 屋根の温度上昇を抑えたい:遮熱塗料(シリコン・フッ素の遮熱版)

塗料選びで失敗しがちなのは、「一番高い塗料が一番いい」と決めつけてしまうことです。フッ素は硬い塗膜のため、下地の動きが大きいモルタル壁ではひび割れに追従しきれない場合もあります。家の外壁材や築年数によって最適な塗料は変わるので、業者と相談しながら決めるのが正解です。

近年注目されているのが、遮熱塗料と断熱塗料です。遮熱塗料は太陽光の赤外線を反射し、屋根表面の温度を10〜20℃下げる効果があるとされています。夏場の2階の暑さが気になる家では、屋根に遮熱塗料を選ぶと体感の涼しさが変わります。

エアコンの消費電力を抑える効果も期待できるため、光熱費の面でも回収できる可能性があります。

外壁塗装と屋根塗装の費用が高くなりやすい家の特徴は何ですか?

3階建て・急勾配屋根・凹凸の多いデザインの家は、費用が高くなりやすいです。足場の設置面積や作業日数が増えるため、標準的な2階建てより10万〜30万円ほど上がることも珍しくありません。見積もりを取る前に、自宅がこうした条件に当てはまるかを確認しておくと、金額に驚かずに済みます。

3階建ての場合、足場の段数が増え、風の影響を受けやすくなるため、飛散防止ネットや控え(足場の固定具)も強化する必要があります。急勾配屋根では、足場に加えて屋根足場(屋根専用の仮設足場)が別途必要になるケースもあり、5万〜10万円ほど上乗せされます。

費用が上がりやすい家の特徴
  • 3階建て・スキップフロア構造で足場が高くなる家
  • 屋根の勾配が急で屋根足場が必要な家
  • 外壁の凹凸が多く、養生・塗り分けに手間がかかる家
  • 付帯部(破風・軒天・雨樋)が多い和風建築や飾りの多い家
  • 隣家との距離が狭く、足場設置に工夫が必要な家

逆に、真四角に近いシンプルな総2階建てで、屋根の勾配が緩やかで、隣家との間隔に余裕がある家は、標準的な相場より安く仕上がりやすい傾向にあります。同じ30坪でも、家の形状で費用が20万〜30万円変わることもあるため、複数社から見積もりを取って比較することが大切です。

下地の傷みが激しい家も、費用が上がる要因になります。長年放置されて外壁のシーリングが完全に切れていたり、屋根に大きなひび割れがある場合、下地補修だけで数万〜数十万円が追加になります。早めに手を打つことで、下地補修の追加費用を最小限に抑えられます。

外壁塗装と屋根塗装のベストシーズンはいつですか?

春(3〜5月)と秋(9〜11月)が、塗装工事のベストシーズンです。気温15〜25℃、湿度85%未満という塗料メーカー推奨の施工条件を満たしやすく、乾燥時間が安定するためです。逆に、梅雨や真夏の炎天下、真冬の氷点下は避けた方が仕上がりが安定します。

ただし、シーズンによって施工不可というわけではありません。真夏は乾燥が早すぎて塗膜にムラが出やすく、真冬は乾燥が遅くて次工程に進めない日もあります。梅雨は雨天中止が多く工期が伸びがちです。それぞれの季節の特徴を理解した上で、業者と工程を相談しましょう。

季節ごとの特徴
  • 春(3〜5月):気温・湿度が安定し、最も塗装向き。予約が埋まりやすい
  • 梅雨(6〜7月):雨天中止で工期が伸びやすい。閑散期で値引きが出やすい
  • 夏(7〜8月):乾燥が早く工程がスピーディー。ただし塗膜にムラが出やすい
  • 秋(9〜11月):春と並ぶベストシーズン。台風シーズンには注意
  • 冬(12〜2月):朝晩の低温で乾燥が遅い。降雪地域では施工が難しい

塗装のベストシーズンは業界の繁忙期でもあり、春と秋は3〜6ヶ月前から予約が埋まる業者もあります。希望の時期に確実に施工したいなら、少なくとも3ヶ月前には業者選定と契約を済ませておくと安心です。逆に、多少の工期延長を許容できるなら、閑散期の梅雨や冬にキャンペーン価格で契約できるケースもあります。

外壁塗装と屋根塗装で使える補助金や助成金はありますか?

自治体によっては、外壁塗装や屋根塗装にも使える住宅リフォーム補助金があります。金額は数万〜20万円程度が中心で、断熱性能の向上や省エネ改修とセットにすると対象になるケースが多い制度です。お住まいの自治体の公式サイトで、その年度のリフォーム補助金制度を確認しましょう。

国の制度としては、省エネ住宅化を支援する事業や、耐震改修とセットのリフォーム減税などがあります。塗装工事単体では対象にならないことが多いですが、遮熱塗料の使用や、断熱工事との同時施工で対象になる制度もあります。制度は年度ごとに内容が変わるため、契約前に業者に相談すると最新情報を教えてもらえます。

補助金・助成金を活用するときの流れ
  • 自治体の公式サイトで、住宅リフォーム関連の補助制度を確認する
  • 対象工事・対象塗料・上限金額・申請期間を確認する
  • 業者に見積もり時点で「補助金申請予定」と伝える
  • 契約前に交付決定通知を受け取る必要がある場合が多い
  • 工事完了後に完了報告書と写真を提出して補助金を受け取る

注意点は、工事の契約や着工を先にしてしまうと、補助金の対象外になる制度が多いことです。「申請→交付決定→契約→着工→完了報告→補助金支給」という流れが基本で、順番を間違えると受け取れなくなります。補助金の活用を考えているなら、業者選びと同時進行で制度を調べ始めるのが賢明です。

同時塗装の工期は何日くらいかかりますか?

同時塗装の標準工期は10〜14日です。天候の影響で1〜3日ほど延びることもあり、余裕を見て14〜17日を想定しておくと安心です。梅雨や台風シーズンを避けて、春や秋に着工すると、工期が予定通り進みやすくなります。

工程はおおまかに、足場→高圧洗浄→下地補修→養生→屋根塗装→外壁塗装→付帯部塗装→足場解体、という流れで進みます。それぞれの工程には必要な乾燥時間があり、無理に短縮すると仕上がりに影響します。

1
足場設置・飛散防止ネット張り(1日)
2
高圧洗浄・乾燥(1〜2日、洗浄後は必ず1日以上乾燥)
3
下地補修・シーリング打ち替え(1〜2日)
4
養生・マスキング(1日)
5
屋根の下塗り・中塗り・上塗り(2〜3日)
6
外壁の下塗り・中塗り・上塗り(3〜4日)
7
付帯部(雨樋・破風板・軒天)塗装(1〜2日)
8
最終点検・足場解体・清掃(1日)

工期が短すぎる見積もりを提示する業者には注意が必要です。1週間程度で完了させると謳う業者は、乾燥時間を削って重ね塗りをしている可能性があります。塗料の性能を出し切るには規定の乾燥時間が欠かせません。

逆に、工期が3週間以上と極端に長い見積もりも、現場管理費が積み上がって割高になる原因です。標準的な10〜14日を基準に、天候による延長分だけ余裕を持つ計画が、費用と品質のバランスが良くなります。工程表を事前に受け取り、各工程に何日を割り当てているかを確認しましょう。

塗り替えのタイミングを見極めるサインはありますか?

塗り替えのサインは、外壁や屋根に表れる小さな劣化から読み取れます。典型的なサインが5つあり、どれか1つでも当てはまれば、専門業者に無料点検を依頼するタイミングです。放置期間が長引くほど、下地の補修費が跳ね上がります。

特に多いのが、チョーキング現象と呼ばれる、外壁を手でこすると白い粉が付く症状です。これは塗膜の樹脂が紫外線で分解され、顔料だけが表面に残った状態で、塗り替えの目安として最も分かりやすいサインになります。

塗り替えを検討するべきサイン
  • チョーキング(外壁を触ると白い粉が手に付く)
  • ヘアクラック(髪の毛程度の細いひび割れ)が複数見える
  • コケ・カビ・藻が北面や日陰に広がっている
  • 塗膜の浮き・剥がれ・膨れが発生している
  • シーリング(目地)が痩せて、ひび割れや隙間ができている

屋根の場合は、地上から双眼鏡で棟板金の浮き・ズレを確認したり、瓦のズレや割れをチェックしたりします。無理に屋根に登ると転落事故につながるため、点検は業者に任せるのが安全です。

国民生活センターにも、屋根の飛び込み点検で不安をあおられ高額契約に至った事例が寄せられており、点検は普段から付き合いのある業者や、地元で長く営業する会社を選ぶことが基本になります。

屋根や外壁の劣化サインは、目に見えるようになってから急速に進行することがあります。特にシーリングの切れは放置すると外壁の内部に雨水が浸入し、断熱材や柱を腐らせる原因になります。「まだ大丈夫」と思っても、5年目に1度は無料点検を受ける習慣を付けると、大きな補修費の発生を防げます。

外壁塗装と屋根塗装を同時に依頼する業者はどう選べば良いですか?

同時施工の業者選びは、屋根と外壁の両方の実績と、自社施工体制の有無で判断します。下請けに丸投げする業者は中間マージンが乗る上、責任の所在が曖昧になりがちです。自社の職人が屋根も外壁も施工している会社なら、品質と価格の両面で安心感が違います。

訪問販売型の業者には、特に注意が必要です。突然「屋根が浮いていますよ」と声を掛けて、その場で高額な契約を迫るケースが後を絶ちません。国民生活センターの相談事例でも、こうした点検商法によるリフォーム被害が繰り返し報告されています。

信頼できる業者の見分け方
  • 屋根と外壁の両方で施工実績を写真付きで提示できる
  • 建設業許可または塗装技能士の資格を保有している
  • 下請けに丸投げせず、自社の職人が施工する体制がある
  • 見積書に単価と数量、使用塗料の商品名と塗布量が書かれている
  • アフターフォローと保証内容が書面で明示されている

相見積もりを取る際は、少なくとも2〜3社から見積もりを取り、金額だけでなく提案内容の妥当性を見比べます。極端に安い見積もりには理由があり、塗料の希釈率を上げたり、塗り回数を減らしたりして帳尻を合わせているケースもあります。

逆に高すぎる見積もりも、下請けへの丸投げで中間マージンが乗っている可能性があります。

相見積もりで見るべき項目
  • 足場代・養生費・塗料代・人件費が分かれて書かれているか
  • 塗料の商品名・メーカー名・グレードが明記されているか
  • 塗布量(kg/㎡)または塗布回数(下塗り・中塗り・上塗り)が明記されているか
  • 下地補修・シーリング打ち替えが別項目で記載されているか
  • 保証書の発行と保証期間が契約書に含まれているか

契約を急かす業者、値引きを大きく見せる業者、キャンペーンで即決を迫る業者は、いずれも要注意です。「今日中に契約すれば30万円引き」といったセールストークは、値引き分を最初から上乗せしているケースがほとんどです。冷静に相見積もりを取り、内容を比較したうえで決めることが大切です。

もう1つ、事務所の所在地と施工エリアの確認も欠かせません。事務所が遠方の業者は、施工後にトラブルがあった際の対応が遅くなりがちです。無料の見積もり・点検で自宅まで来てくれる範囲かどうかを、契約前に必ず確認しましょう。

長年その地域で営業している会社は、地域の口コミで評判が確認できる点も安心材料になります。

外壁塗装と屋根塗装の色選びで失敗しないコツはありますか?

色選びは、A4サイズ以上の大きな色見本を、屋外の自然光で確認するのが基本です。小さなカタログ見本と実際に塗った壁面では、面積効果で色の見え方が大きく変わります。明るい色は塗ると想像より明るく、暗い色は想像より暗く見える傾向があります。

屋根と外壁の配色は、屋根を外壁より濃い色にすると全体が引き締まって見えます。定番の組み合わせは、外壁ベージュ×屋根ブラウン、外壁ホワイト×屋根ダークグレー、外壁ライトグレー×屋根チャコールなどです。近隣の家並みとの調和も意識すると、浮かない仕上がりになります。

色選びで押さえるべきポイント
  • A4サイズ以上の色見本板を業者に用意してもらう
  • 屋外・晴天・北面と南面の両方で色を確認する
  • 屋根を外壁より濃い色にすると全体が引き締まる
  • 白すぎる色は汚れが目立ちやすいので注意する
  • 近隣の家並みとの調和を意識する

色選びで多い後悔が、「もっと落ち着いた色にすればよかった」というものです。カタログでは鮮やかに見えた色が、家全体に塗るとかなり派手に見えることがあります。10年間毎日見る色になるので、飽きの来ない中間色を選ぶと満足度が高くなります。

外壁塗装と屋根塗装の保証内容はどう確認すれば良いですか?

保証は「塗料メーカー保証」と「施工店の自社保証」の2つを確認します。塗料メーカー保証は塗料の性能を保証するもので、施工店の自社保証は塗装工事の仕上がりを保証するものです。両方が書面で発行されるかを、契約前に必ず確認しましょう。

自社保証の期間は、外壁で5〜10年、屋根で3〜7年が一般的です。保証書には、保証範囲(剥がれ・膨れ・変色など)、保証対象外の条件(自然災害・第三者行為など)、無償修繕の条件などが明記されている必要があります。口頭だけの「安心してください」という説明では、いざという時に対応してもらえません。

保証書で確認すべき項目
  • 保証期間(屋根・外壁・付帯部それぞれの年数)
  • 保証範囲(剥がれ・膨れ・変色・チョーキングなど)
  • 保証対象外の条件(自然災害・経年変化・第三者行為など)
  • 定期点検の有無と頻度(1年後・3年後・5年後など)
  • 会社が万一廃業した場合の対応(第三者保証の有無)

保証を受けるには、定期的な点検や決められたメンテナンスを受ける必要がある場合もあります。契約時に保証条件を確認し、保証書は塗装工事完了後に必ず受け取って大切に保管しましょう。10年後の再塗装の際にも、保証書があれば劣化状況を業者に説明しやすくなります。

よくある質問

Q. 外壁塗装と屋根塗装を同時にすると、本当に安くなりますか?

A. はい。足場代を1回にまとめられるため、別々に発注するより15万〜30万円ほど安くなるのが一般的です。30坪2階建てで比べると、同時施工が約130万円、別々発注が約156万円という試算例もあります。

ただし、業者選びを誤ると同時のメリットが目減りするため、相見積もりで内容を確認することが前提になります。

Q. 屋根がまだキレイに見えます。外壁だけ塗るのは損ですか?

A. 築8年以上経っていれば、屋根も同時に検討する価値があります。屋根は地上から見えにくく、劣化に気づきにくい場所です。足場を組んだ機会に業者に上から診てもらい、下地の状態を判断してもらうと確実です。もし屋根の状態が本当に良好なら、次回に回す判断も間違いではありません。

Q. 塗装工事の期間中、家に住み続けられますか?

A. はい、通常は住みながら工事できます。ただし、高圧洗浄の日は水しぶきが飛ぶため窓を開けられません。塗装中は塗料のにおいが多少します。洗濯物は基本的に室内干しになり、車の移動をお願いされる日もあります。工程表を事前にもらい、家族の予定と合わせて調整すると快適に過ごせます。

Q. 屋根塗装だけ先にやって、後で外壁を塗ることはできますか?

A. 技術的には可能ですが、費用面では割高になります。足場代を2回払うことになり、総額で15万〜30万円ほど余分にかかります。屋根と外壁の耐用年数を揃えたい場合は、同時施工の方が長期的なメンテナンス計画も立てやすくなります。

どうしても予算の都合で分けたい場合は、リフォームローンの活用も選択肢に入れて検討しましょう。

Q. どのくらいの周期で塗り替えるのが理想ですか?

A. 使用した塗料のグレードによりますが、シリコン塗料なら10〜13年が目安です。ラジカル制御型で12〜15年、フッ素なら15〜20年もちます。ただし表示年数は最良条件での数値です。実際は日当たり・立地・下地処理の質で前後します。

5〜7年目に1回、外壁を触ってチョーキングの有無を確認する習慣を付けると、塗り替え時期を逃しません。

Q. 見積もりで極端に安い業者は避けるべきですか?

A. はい、極端に安い見積もりは避けた方が安全です。相場より30%以上安い見積もりは、塗料の希釈率を上げたり、塗り回数を減らしたり、下地処理を省略していたりする可能性があります。塗装は下地処理と塗り回数で仕上がりが決まる工事です。

目先の安さで契約すると、数年後に塗膜の剥がれや色ムラが出て、結局塗り直しになるケースもあります。3社の相見積もりの中間価格を目安に検討しましょう。

Q. 屋根の葺き替えや外壁の張り替えとは何が違うのですか?

A. 塗装は表面の塗膜を新しくする工事で、屋根材や外壁材そのものは交換しません。葺き替えや張り替えは、屋根材・外壁材そのものを新しいものに交換する工事で、費用は塗装の2〜3倍かかります。

築30年を超えて屋根材や外壁材そのものの寿命が来ている場合は、塗装では対応しきれず、葺き替えやカバー工法が必要になります。まずは現地調査で、塗装で対応できる状態かを診断してもらいましょう。

まとめ

外壁塗装と屋根塗装は、同時に行うことで足場代を1回に集約でき、総額で15万〜30万円の節約につながります。30坪2階建ての目安総額は80万〜200万円、標準的なシリコン塗料なら110万〜140万円が中心価格帯です。

工期は10〜14日で、メンテナンス周期を10〜15年で揃えられる点も、同時施工の大きな魅力です。

選ぶべきポイントは、屋根と外壁の両方に自社施工で対応できる業者を選ぶこと、そして塗料の商品名と塗布量まで明記された見積書を出してもらうことです。訪問販売で急かされて契約するのではなく、相見積もりで内容を比べ、納得したうえで発注しましょう。

「そろそろ塗り替え時期かも」と感じたら、まずは外壁を手で触ってチョーキングの有無を確認してみてください。少しでも粉が付くようなら、屋根と外壁を同時にメンテナンスするタイミングです。無料点検で状態を診てもらい、10年後・15年後の住まいを見据えた計画を立てていきましょう。

塗装工事は10年に一度の大きな決断です。焦って契約する必要はまったくなく、じっくり調べて、複数社に見積もりを取り、納得したうえで進めることが、後悔しない選択につながります。

同時施工のメリットを最大限に活かすためにも、下地処理・塗料選び・保証内容・業者の実績という4つの軸で、丁寧に比較検討していきましょう。

塗装は美観だけでなく、家そのものを紫外線・雨水・熱から守る大切な役割を担っています。定期的な塗り替えは、建物の寿命を延ばし、資産価値を維持するための投資でもあります。次の10年、そして15年後の住まいを守るための一歩として、同時塗装という選択肢をぜひ前向きに検討してみてください。

屋根・雨漏りのことならお気軽にご相談ください

現地調査からお見積もりまで、状態と費用をわかりやすくご説明します。

星野ルーフに相談する
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次